撃墜されたロシア機の残骸からコレクショングッズを作って販売、売り上げをウクライナに寄付するグループ | ニコニコニュース
ウクライナ軍を支援しようと、母国防衛の資金を集めるために、撃墜されたロシアの航空機の残骸を加工し、コレクショングッズを作ってネット販売する、ユニークな試みが行われている。
「フューズラージ・クリエーションズ(Fuselage Creations)」というウクライナ人グループは、これまで「Su-25」「Su-30」「Mi-28」「Mi-8」といったロシアの戦闘機や軍用ヘリの残骸で、ここでしか手に入らない限定タグを販売し、経費の1割を除いた売り上げを全てウクライナ軍に寄付している。
飛行機マニアであるフューズラージ・クリエーションズの共同設立者マルコ・グッズ氏が、The Debriefの取材に語ったところによると、元々は民間の航空機から作ったプレートタグを販売するプロジェクトを行っていたという。
ところが、2月にロシアに母国が侵攻されてから、自分たちの専門知識を活かせば、ウクライナの防衛資金集めに役立てるのではないかと閃いた。
ロシアの飛行機が撃墜されるようになる頃には、自分たちが何をすべきか分かっていました
せっかくの素材が無駄になるのはもったいないですし、戦争が長引くにつれて、この製品を寄付に役立てようと思いました
ロシア機のシリアルナンバーと機体の尾翼番号を刻印した記念タグ
こうして作られた記念タグは、英国の販売会社「Part-of-a-Plane」のサイトを通じて販売されている。
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タグにはシリアルナンバーと機体の尾翼番号が刻印されてるほか、付属の台紙にその機体の経緯について詳しい情報が記載されている。「徹底した調査を行い、根拠なく製品を発売することはありません」とグッズ氏は説明する。
目玉の1つは、「Su-30SM」(尾翼番号: RF-33787、S/N: 10MK5140、コールサイン: Blue-45)の胴体から作られたタグだ。
このロシア製第4世代戦闘機は、双発、2座席の多用途戦闘機で、米国の「F-15E ストライクイーグル」と同等の制空・攻撃能力を持つとされる。
また識別情報に基づくなら、この機体は、JSC Irkut Corporation社が製造し、2018年にロシア海軍に納品された28機のうちの1機であるようだ。
この機体は、2022年3月5日にミコライフ州バシュタンカ地区で地対空ミサイル「Buk-M1」によって撃墜された(その直後とされる映像も公開されている)。
搭乗していたパイロットは2人とも脱出し、その後ウクライナ軍に捕らえられたとのこと。結局は、捕虜交換の一環としてロシアに引き渡されたそうだ。
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撃墜されたSu-30SMの残骸。コールサインはBlue-45 / image credit:twitter/@RALee85
Su-30SMから作られた記念タグは大好評であるそうで、制作された530枚のうち、すでに455枚が売れた(2022年11月11日現在)とのこと。
また注文が殺到しているため、発送まで2週間待ちであるそうだ。
このような記念タグは、時間と共にプレミアがつく可能性があることを考えると、その人気も当然なのかもしれない。実際、第二次世界大戦の機体や戦車のパーツは、愛好家の間で高値で取引されることがある。
製作費の1割を除いた売り上げをウクライナ軍に全額寄付
記念タグのラインナップは、ほかにもまだまだある。
たとえば、飛行機よりもヘリコプターが好きというなら、2022年5月8日にハリコフ州ボブリフカ村の近くで撃墜された攻撃へり「Mi-28N ナイトハンター」(コールサイン: Red-70)や、ロシア軍に放棄された輸送ヘリ「Mi-8」から作られたものがある。
撃墜された機体から作られた記念タグ。こちらはロシア空軍のヘリコプター Mi8 (RF-91882) / image credit:Fuselage Creations
また、すでに完売したが、戦闘機「Su-25SM」(コールサイン: Red-12)から作られた記念タグもあった。商品の説明によると、これが撃墜されたのは2022年3月9日のことだという。
しかしこの機体の撃墜が公になったのは、バビンチ村付近で残骸が発見された6月上旬のことだったので、とりわけ注目された商品だった。
そのほかにも、ロシアの最新鋭戦闘爆撃機「Su-34」や、「Su-30」「Mi-24」「Ka-52」といった航空機、さらにはミサイルの残骸から作られたタグなど、マニアにはたまらないコレクションを販売する予定であるそうだ。
Group Turning Downed Russian Aircraft Into Unique Collectibles To Help Raise Money For Ukraine
なお、タグの売り上げから1割の経費(制作費など)を差し引いた残りは、ウクライナ軍の支援に充てられるとのことだ。
購入は『Part-of-a-Plane』の公式ホームページから。お値段は1つ2万数千円といったところだ。ウクライナを支援したい戦闘機マニアなら手が出るお値段なのかもしれない。
References:Group Turning Downed Russian Aircraft Into Unique Collectibles To Help Raise Money For Ukraine - The Debrief / written by hiroching / edited by / parumo
(出典 news.nicovideo.jp)
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