大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの参加は? “侍ジャパン”栗山監督「とにかく頭を下げてでもそこはやる」 世界一奪還へ「勝ち切る」<独占インタビュー> | ニコニコニュース



 来年3月、野球の世界大会「ワールド・ベースボール・クラシックWBC)」が開催される。優勝に向けた強化試合のメンバーを4日に発表した日本代表栗山英樹監督に、『ABEMAヒルズ』は独占インタビューを実施。大会への意気込みや、大谷翔平選手をはじめとするメジャーリーグで活躍する選手について聞くことができた。

【映像】“侍ジャパン”栗山英樹監督インタビュー<ノーカット>

 この前日、栗山監督は3月のWBC本大会に向けた強化試合のメンバーを発表した。ホームラン56本の最年少三冠王村上宗隆選手や完全試合達成の佐々木朗希投手など、フレッシュなメンバーがそろった。

 「3月に勝ち切るためにやっておかなければいけないこと、そういうことを全てひっくるめて、まずはこの4試合しっかりと戦っていきたい」

 当初、2021年に開催予定だった第5回大会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期に。栗山監督が侍ジャパンの監督に就任したのは去年12月のことだった。日本ハムファイターズの監督を退任した直後、短い準備期間で、予定されていた試合も中止になるなど、初めての代表監督としては厳しい状況に直面していた。

 「この約半年間の準備が長かったか短かったか。2、3年で準備が出来れば別だけど、試合がなかっただけに余計にいろんなことを考えすぎちゃって。この前、原監督と話していたら『無駄だろ、その半年間』と言われて、『確かにこれ難しいですね』なんて。実際にメンバーを選ぶ難しさはあったが、“さあいよいよ”という気合いの入り方はしている」

 今シーズンは、東京ヤクルトスワローズの村上選手が王貞治氏を超える56本塁打を放ち、メジャーでは大谷選手が「規定投球回&規定打席のダブル達成」の偉業を達成するなど、多くのファンわくわくした。

 「誰よりも努力して頑張り続けると最後、“神様が手伝ってくれる”みたいなことが言われる。その状況のドラマチックさに、僕は監督や野球人を忘れて“感動したなあ”“やっぱり野球いいなあ”って。ノーヒットノーランがあったり、完全試合があったり、最終戦で優勝が決まったり。この流れで何が何でも来年のWBCに行こうと」

 「全てこのメンバーでいくぐらいの結果を出してくれると信じている」と会見で語った栗山監督だが、気になるのは日本人メジャーリーガーの参加について。夏にはアメリカに渡り各選手を視察する中、エンゼルス大谷翔平選手とも話をしたという。

 「相変わらずで、ツンデレというか。他の選手はちゃんと2時間向き合って話すけど、(翔平は)何となく来て、何となく去っていくみたいな。全然関係ない話したりとか、そんな感じ」

 栗山監督といえば、日本ハムの監督時代に高卒1年目の大谷選手を「二刀流」で起用し、活躍の場を大きく広げた存在だ。

 「毎年、アメリカから帰ってきたら会っていろいろな話をするけど、ただ今年のシーズンがどうだったかを確認していくだけで、彼が何を思っているのかは正直わからない。何か疑問とか、“もしかしたら(投打)2つはできないのかもしれない”ということが浮かび始めたら前には進まないので、それは覚悟というか、僕が片思いしてそう思い続けている。だから、僕のことを“面倒くさいな”と思ってるだろうし、ただそういう存在も必要かなっていう。5年間、“できない可能性もあるのかな?”と思うことはなかった。一切疑問を持たせないぐらいの進み方をした彼のすごさというか頑張りは、本当に皆さん評価してあげてほしい」

 果たして、日本人メジャーリーガーの参加は実現するのか。

 「野球ファンだったらお金を出して見たい選手が、アメリカからもドミニカからも来る。そこに勝負するには、メジャー日本人選手たちにできる限り来てほしいという思いはもちろんある。まだ誰からも返事をもらっていないが、とにかく頭を下げてでもそこはやる。“日本のため”というのは伝えているつもりなので、どういう報告ができるかわからないが、できる限り努力する」

 選手から解説者へ、そしてファイターズの監督を経て、日本代表を率いることとなった今、“監督”という存在をどのように捉えているのか。

 「監督よりも、一番大切なことは“今の日本の社会”というか。こういうことを言うと『あんた年取ったね』と言われるけど、我々日本人が持っていた大切なこと、勤勉であったり、一生懸命何かを努力できたりとか、そういったものを持った次の世代の人を社会が求めている。“そのお手伝いをしなさい”というふうにしか思っていない。“僕が”というよりも、この人たちが育つために僕みたいなタイプが必要だったという、1つの駒でしかない。歯車の1つ、という感じはある」

 また、話は昨シーズンで引退した斎藤佑樹さんにも及んだ。

 「いつ辞めるのかというタイミングは、本人も『やりたいけど』といろいろなことを迷っていた。今考えたら、あいつに無茶を言ったなと思う。結果が出たほうがいいんだけど、仮に出なかったとしても『ドロドロになって努力する姿をお前は見せる責任がある』と。『逃げるな』とずっと言い続けて、本人はきつかっただろうなと思う。でも、彼の表情を見ると、やり切った感じですごくすっきりしている。苦労した分、今の斎藤佑樹がまた光り輝いているのはすごくうれしいし、彼の純粋な思いが見ている方に伝わっているのかなと」

 先を見据える――。今回のWBCも、“10年後、30年後の日本の野球界がどうなっていたらうれしいか”ということを念頭に、世界一奪還を目指したいと栗山監督は語る。

 「なんとしても結果を出したいと思うと、どうしても“今結果が出るもの”だけに引っ張られるので、そうならないように。いろいろなことが起こっても必ずプラスになるかたちだけは残さなきゃいけない、というのはあります。でも、間違いなく世界一しかない。勝ち切る」

(『ABEMAヒルズ』より)

大谷翔平ら日本人メジャーリーガーの参加は? “侍ジャパン”栗山監督「とにかく頭を下げてでもそこはやる」 世界一奪還へ「勝ち切る」<独占インタビュー>


(出典 news.nicovideo.jp)