昨年12月に打ち上げられた次世代型の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)」は、驚くほど鮮明な宇宙の光景を次々と撮影し、地球へと送り届けてくれている。
そんな中、フランスの権威ある科学者がTwitterに投稿した、JWSTが撮影したという、太陽系に最も近い恒星、「プロキシマ・ケンタウリ」の写真が大いに拡散された。
だが実はこれ、スペインのソーセージ「チョリソー」のスライスだったのである。
JWSTはその成果として、これまで赤外線観測データをもとにした、色鮮やかなフルカラーの画像を送信してきたもんだから、これを本物と信じてしまったネットユーザーが続出したようだ。
フランスの物理学者のエティエンヌ・クライン氏は自身のTwitterに、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(以下JWST)が撮影した画像として、8月1日、以下のツイートを投稿した
地球から4.2光年離れた場所にある、太陽に最も近い星「プロキシマケンタウリ」の画像。JWSTによって撮影されました。すばらしい鮮明度!JWSTは次々と我々に新しい世界を見せてくれます
Photo de Proxima du Centaure, l’etoile la plus proche du Soleil, situee a 4,2 annee-lumiere de nous.
— Etienne KLEIN (@EtienneKlein) July 31, 2022
Elle a ete prise par le JWST.
Ce niveau de details… Un nouveau monde se devoile jour apres jour. pic.twitter.com/88UBbHDQ7Z
[もっと知りたい!→]最も太陽系に近い惑星「プロキシマb」に、生命が生存できるかもしれないという新たなる希望(NASA研究)
赤色矮星「プロキシマ・ケンタウリ」を公転している惑星「プロキシマb」は、生命が存在する可能性があり、人類の移住先として候補に挙がっている。
そりゃみんな飛びつくだろう。で、実際に盛大に釣られちゃったのだ。
実はこれ、スペインのソーセージ「チョリソー」のスライスを黒の背景に置いて撮影したものなのだから。
科学者が謝罪とネタバラシ、その狙いは「権威主義に惑わされるな」
この投稿をして数十分後、クライン氏は、多くの人を騙したことを謝罪した後、こうツイートした。
さて、食前酒を飲むとき、「認知バイアス」は大活躍するようです...気をつけましょう。現代の宇宙論によれば、スペインのデリカテッセンに属する物体は地球以外のどこにも存在しない
更にこう続けた。
今回のプロキシマ・ケンタウリの画像は、私の「おふざけ」である。権威主義的な主張や、画像の持つ自然な雄弁さに警戒することを学ぼう
そして、その数日後、「この画像はプロキシマ・ケンタウリではなく、チョリソーです」と、正式に画像の正体を暴露した。
[もっと知りたい!→]フェイクニュースの見分け方を学ぶカリキュラムが、小・中学校の子供たちを対象に2020年から導入予定(イギリス)
確かに物理学者であり、フランスの代替エネルギー・原子力委員会の研究ディレクターもある権威者のクライン氏がツイートしたのだから、信じてしまう人が多いのもうなずける。
権威ある科学者のこうした「おふざけ」に対しては各方面から非難の声も集まったが、最初からこれをジョークとして理解していた人も結構いたようだ。
クライン氏は、フランスのニュースメディア「Le Point」に、自分の意図はネット上のフェイクニュースについて人々を教育することだったと語った。
また、「もし私がジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像だと言わなければ、こんなに成功しなかっただろう」とも付け加えた。
その後クライン氏は正真正銘のJWSTが撮影した画像をツイートした。
車輪銀河とその周囲を公転する伴銀河の画像(今回は本物)5億光年の彼方にあり、過去には渦巻き型であったと思われるが、激しい銀河の衝突により、このような奇妙な形となった
Photo (VRAIE cette fois…) de la galaxie de la Roue du Chariot et de ses galaxies compagnes, prise par le JWST. Situee a 500 millions d’annees-lumiere, elle fut sans doute spirale dans son passe, mais a pris cette etrange allure a la suite d’un furieux carambolage galactique. pic.twitter.com/vmiDjU1Gjt
— Etienne KLEIN (@EtienneKlein) August 3, 2022
References:French Scientist's Photo of ‘Distant Star’ Was Actually Chorizo / Physicist Apologizes for Fooling Public Into Thinking a Picture of Chorizo Was a Star / written by parumo
(出典 news.nicovideo.jp)
座標: 14h 29m 53s, −62° 41′ 00″ プロキシマ・ケンタウリ (英語: Proxima Centauri) は、ケンタウルス座の方向に4.246光年離れた位置にある赤色矮星である。太陽系に最も近い恒星として知られている。 1915年にロバート・イネスによって発見された。視等級 69キロバイト (7,589 語) - 2022年7月31日 (日) 05:04 |
<このニュースへのネットの反応>
すまん草
「権威主義的な主張や、画像の持つ自然な雄弁さに警戒することを学ぼう」ったって、権威とかじゃなく門外漢にとっちゃ専門家の意見は鵜吞みにせざるを得ないんだが、なんせほぼほぼ何も知らないんだから信じるしかない。じゃなきゃ「コロナは、ワクチンは政府の陰謀」みたいに根拠もないのにむやみに疑う事になる。普通の人は警戒しようがないんだからそこんとこ真摯に伝えてほしい。
そういうのは4月1日にやれよ(ため息)。 あの人面岩騒動からでさえ学ばない学者なんて要らんわ
さらみ?
とりあえずこの学者のいう事は今後信じないって事でいいのでは?
>門外漢にとっちゃ専門家の意見は鵜吞みにせざるを得ないんだが ―誰か一人でも「これ本当にそうか?」という疑問を持つことが重要なのです。たとえ、それが自分にとって不利益で不都合でも極少数でも検証の可能性があるなら査定が必要です。プロキシマケンタウリだかアルファケンタウリだか知りませんが、科学者や国のやってることに何の疑問も感じないのはただの家畜で怠惰な豚です。
「ごらん、これがプロキシマ・ケンタウリだよ。(ソーセージをボロン)」「まぁかわいいカルパスね」
お硬い印象を払拭したかったのだろうが、フランクになりすぎたな
https://cellbank.nibiohn.go.jp/legacy/information/ethics/refhoshino/hoshino0052.htm タスキギー梅毒人体実験という事件があって、アメリカでは健康な人間に故意に梅毒を感染させて、その経過を記録するという狂気の実験が行われていました。こういうことを忘れてはいけません。
「権威ある科学者のこうした「おふざけ」に対しては各方面から非難の声も集まったが」おふざけじゃなかったときが怖いわけで、根拠もなく疑うのもどうかと思うけど根拠もなく信じるのも危ないのは確かだし、非難するのもどうかと思ってしまう。ちょっとジャンル変わるけど偉い先生の話を根拠もなく信じている人たちが最近にも問題になってる*
はえーサラミだと思ったがチョリソーだったのか(権威に騙される民衆並感)
テレビに出る自称専門家の言うことは聞いてはいけないってこと
別に怒りで我を忘れて大噴火したり、上げ足取り・反抗・拒絶アピールしたりするほどの事でもあるまい。 余裕もとうぜ。
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